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第1条
この条例は、歯と口腔の健康が市民の健康で質の高い生活にとって基礎的かつ重要な役割を果たすことに鑑み、歯と口腔の健康づくりに関する基本理念を定め、市の責務並びに市民、歯科医療等関係者、保健医療等関係者及び事業者の役割を明らかにするとともに、歯と口腔の健康づくりに関する施策の基本的な事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民の生涯にわたる健康で質の高い生活の保持及び増進に寄与することを目的とする。
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
歯と口腔の健康づくり 歯と口腔の健康の保持又は増進を図ることをいう。
歯科医療等関係者 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は歯科保健に係る業務に従事する者及びこれらの者で組織する団体をいう。
保健医療等関係者 保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育等に係る業務に従事する者であって歯と口腔の健康づくりに関する業務を行うもの及びこれらの者で組織する団体（歯科医療等関係者を除く。）をいう。
第3条
歯と口腔の健康づくりに関する施策は、次に掲げる事項を基本として行うものとする。
市民が、生涯にわたって自主的に歯と口腔の健康づくりに取り組むとともに、歯科疾患について早期に発見し、早期に治療を受け、及び適切な管理を受けることを促進すること。
乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期（以下「各世代」という。）における口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じて適切かつ効果的に歯と口腔の健康づくりを推進すること。
保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連分野における施策との連携を図りつつ、その関係者の協力を得て、総合的かつ計画的に歯と口腔の健康づくりを推進すること。
地域で取り組む歯と口腔の健康づくりを促進すること。
第4条
市は、前条の基本理念（以下「基本理念」という。）にのっとり、歯と口腔の健康づくりに関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
第5条
市民は、基本理念にのっとり、歯と口腔の健康づくりに関する理解を深めるとともに、正しい知識を持つこと、日常生活において歯科疾患等の予防及び歯と口腔の健康づくりにおいて望ましい食生活を心がけること、並びに定期的な歯科健診、必要に応じた歯科保健指導及び適切な歯科医療を受けることにより、生涯にわたって自ら積極的に歯と口腔の健康づくりに努めるものとする。
第6条
歯科医療等関係者及び保健医療等関係者は、基本理念にのっとり、市民の歯と口腔の健康づくりの推進のため、相互に連携を図りつつ、適切にその業務を行うとともに、市が実施する歯と口腔の健康づくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
第7条
事業者は、基本理念にのっとり、従業員の歯と口腔の健康づくりに関する取組を推進するとともに、市が実施する歯と口腔の健康づくりに関する施策に協力するよう努めるものとする。
第8条
市は、市民の歯と口腔の健康づくりを推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
歯と口腔の健康づくりに必要な知識の普及、歯科疾患の予防のための取組に関する普及啓発及び歯と口腔の健康づくりに関する市民の意欲を高めるための運動の促進のための施策
母体の健康の保持及び胎児の健全な発育を図るための妊産婦の歯科疾患の予防のための施策
乳幼児期における歯みがき、フッ化物応用等による歯科疾患の予防及び摂食嚥えん下に係る健全な口腔機能の獲得のための施策
学齢期における歯と口腔の健康づくりを推進するために必要な健康教育等の実施及び歯みがき、フッ化物応用等による歯科疾患の予防のための施策
成人期における歯周病、口腔がん等の歯科疾患の予防、早期発見及び早期治療を促すための取組並びに歯科健診の受診の促進のための施策
高齢期における歯の喪失及びオーラルフレイル（口腔機能が低下していく状態をいう。）の予防のための施策
８０２０運動（８０歳で自分の歯を２０本以上保つことを目的とした取組をいう。）の推進及び各世代に応じた歯と口腔の健康づくりのための施策
糖尿病その他の生活習慣病の予防及び改善に資する適切な歯と口腔の健康づくりのための施策
周術期（手術が必要な患者の手術前から手術後までの一連の治療に要する期間をいう。）における歯科疾患の治療、口腔ケア等を適切に行うための医師、歯科医師その他関係機関の連携のための施策
障害のある者、介護を必要とする者等であって、定期的な歯科健診、必要に応じた歯科保健指導及び適切な歯科医療を受けることが困難なものに対する適切な歯と口腔の健康づくりのための施策
災害発生時における歯科医療の提供体制の整備及び二次的な健康被害を防ぐための口腔衛生の確保のための施策
歯科医療等関係者及び保健医療等関係者の資質の向上を図るための施策
歯と口腔の健康づくりを効果的に推進するための情報収集及び調査研究のための施策
前各号に掲げるもののほか、歯と口腔の健康づくりを推進するために必要な施策
第9条
市は、歯と口腔の健康づくりを総合的かつ計画的に推進するため、健康増進法（平成１４年法律第１０３号）第８条第２項の規定により定めた住民の健康の増進の推進に関する施策についての計画において、歯と口腔の健康づくりに関する施策についての基本的な方針、目標、実施に関する計画等を定めるものとする。
第10条
市は、歯と口腔の健康づくりに関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この条例は、令和３年４月１日から施行する。